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食品表示基準案のパブリックコメントを提出しました

2013年6月、新しい食品表示法が可決され、食品表示法の施行に向けて新たな食品表示基準の検討が進められています。
この度、新しい食品表示基準案が示されました。しかし、加工食品の原料原産地表示と遺伝子組み換え表示は、今後の課題とされているため、これまでの調査会では全く議論の対象となっておらず、新基準案では従来の表示方法から変更ありません。

生活クラブ・東京では、今回の新基準案に対してパブリックコメントを提出しました。 ≫全文はこちら


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*問い合わせ先 生活クラブ・東京
 政策調整部 TEL 03-5426-5204
 


2014年8月1日

消費者庁食品表示企画課 意見募集担当 御中

生活クラブ生活協同組合・東京
理事長 土谷 雅美

食品表示基準(案)についての意見

 

はじめに

2013年6月に成立した新しい食品表示法は、基本理念として「消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、並びに消費者に対し必要な情報が提供されることが消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として講ぜられなければならない」と消費者の権利について明記しており、これを高く評価しています。新しい食品表示基準についても、この食品表示法の基本理念に立ち戻り、消費者の権利に基礎を置く表示基準の制定を求めます。

1. 消費者の知る権利、選択権を保障する表示基準を求めます。 

1)製造所固有記号の見直し案

現行の製造所固有記号のルールでは、消費者には製造所を調べる手段が保障されておらず、販売者に問い合わせても答えが得られないケースが多々あります。これは「消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、並びに消費者に対し必要な情報が提供される」消費者の権利が確保されているとは言えません。

基準案では、製造所の所在地および製造者の氏名等を表示することを原則とし、消費者庁は例外として製造所固有記号を使う場合は消費者からの問合せに応答する義務を課すことを提案しています。この提案に賛成です。

固有記号の使用の条件を、表示スペースがない場合と同一製品を二以上の製造所で製造している場合に限定し、固有記号を利用する事業者には消費者からの問合せに応答する義務があることを基準に明記することを求めます。

製造所についての消費者への情報提供と危機管理については、販売者が責任を持つべきと考え、消費者庁によるデータベース化については支持しません。

2)飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の表示

WHO/FAOの2003年のレポートでは、トランス脂肪酸は心臓疾患のリスク増加と関連が報告され、摂取量は全カロリーの1%未満にするよう勧告されています。また、飽和脂肪酸についても同じく、WHO/FAOは心臓疾患との関連からカロリーの10%を上限とし、どちらも低減を目標とすることが示されています。2013年4月には、内閣総理大臣と消費者庁長官に対して、日本高血圧学会・日本循環器学会・日本小児科学会・日本腎臓学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会が連名で、動脈硬化性疾患発症のリスクとなる「飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」の栄養表示をただちに行なうことを要望しています。新基準における栄養成分の表示の在り方について勘案される3点のうち「①消費者における表示の必要性(国民の摂取状況、生活習慣病との関連、等)」の観点を満たすものです。

動脈硬化性疾患発症のリスクを持つ人々をはじめ消費者が自らの健康を管理するために、「消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、並びに消費者に対し必要な情報が提供される」よう、国として啓発活動を実施することを求めると同時に、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸について、特に水素添加又は部分水素添加をしている油脂が使用されている食品については義務表示とすることを求めます。

また相対表示(「低トランス脂肪酸」「低飽和脂肪酸」など)については、飽和脂肪酸と同様にトランス脂肪酸についても基準を定めることを求めます。

3)加工食品の表示の共通ルールの例外措置とされている食用油脂の原材料名表記

加工食品の原材料表示の共通ルールでは、原材料としての一次農産物の表示を行なうことになっています。しかしながら、食用油脂の場合は例外となっており、基準案では品名・原材料名ともに、たとえば「食用大豆油」「食用なたね油」などと表示することとしています。この表示方法は、概ね「粗油」が食用油脂の原料であるという考え方に基づいています。その結果、油糧原料から精製までを自社内で一貫生産している製造者の場合は原料が一次産品(たとえば「大豆」「なたね」など)であるにも関わらず、「食用大豆油」、「食用なたね油」という、消費者にとって分かりにくい表示を行わなければなりません。原材料名は一次産品(たとえば「大豆」「なたね」など)を表示することを基本とし、「粗油」を使用している場合は例外として、「食用大豆油」「食用なたね油」とするよう基準を変更し、より製造の実態に即した表示とするよう求めます。

2. 加工食品の原料原産地表示、遺伝子組み換え食品の表示について、速やかに検討に入ってください。

  • 今回の食品表示基準の策定にあたっては、JAS法、食品衛生法、健康増進法の一本化のみが検討され、加工食品の原料原産地表示、遺伝子組み換え食品の表示は今後の課題とされています。今回の食品表示基準案の議論と並行してこれらの課題について議論が開始されることを期待しましたが、今のところ何も議論されていません。
  • 加工食品の原料原産地表示、遺伝子組み換え食品の表示について、速やかに検討に入ることを求めます。その検討に当っては、委員の公募も含め、消費者の意見を適切に反映できる人選を求めます。

3. その他

  • 厚生労働省の「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」において、2015年4月より実施される健康認証マーク制度の概要が決まりました。コンビニやスーパー、宅配などで販売される調理済み食品の内、国が定めた基準を満たしていれば「健康な食事」としてマークを表示できるしくみですが、公的な認証のしくみがないという問題の他、食品添加物など化学物質を使用した製品でも基準さえ満たせば認証対象となるという、めざすべき「健康」と逆行する実態になることが想定されます。
  • 新しい法の施行においては、この認証実態についても調査を行ない、必要な措置を講じることの準備をお願いします。

以上

(2014/8/1掲載)

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