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伊方原発の再稼働に反対のパブコメを提出しました

四国電力伊方原子力発電所3号炉について、原子力規制委員会は再稼働の前提となる規制基準に「適合」したとする「審査書案」を5月20日に発表し、パブリックコメントを募集しました。生活クラブでは、以下の点から、この「審査書案」は科学的・技術的に不適切であるとするパブリックコメントを6月18日に提出しました。

  • 寄せられたパブリックコメントについては、公開の場で慎重に審議した上で、きちんと反映してほしい。
  • 審査書案では、プルサーマル運転の危険性について十分考慮されていない。
  • 重大事故を想定した避難計画を含む原子力防災計画が適切で実効性のあるものかどうかを確認する法的な手続きがなく、適合性審査でも検討の対象となっていない。伊方原発は愛媛県の佐田岬半島の入り口にあり、半島側の住民が避難することができない。
  • 伊方原発は北に日本最大級の断層系である中央構造線、南に、活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っており、地震国日本の原発の中でも大地震に襲われる可能性の高い。伊方原発の非常用発電機が動かなかったり、燃料が切れたりすれば、全電源喪失という東電福島原発事故でみたことが繰り返される可能性がある。
  • 佐田岬半島は、岩国基地と沖縄を結ぶ米軍飛行ルート下に含まれており、1988年には、伊方原発直近のみかん畑に大型ヘリが墜落し乗組員7人が死亡した事件が起きている。

四国電力株式会社伊方発電所3号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集への意見(全文)

2015年6月18日
生活クラブ東京

◆1ページ(本審査書の位置付け)、424ページ(審査結果)

  • 審査書の位置付けについて

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、審査書について「安全を保証するものではない」と繰り返し述べています。そうであれば、審査書の位置付けでそれを明記し、審査結果においても説明すべきです。

川内原発の審査書案では、寄せられた意見と反映の仕方について、原子力規制委員会の定例会合で簡単な報告があっただけで、多くの意見が反映されませんでした。少なくとも適合性審査の会合を開いて、反映の仕方について公開で議論すべきです。また、審査書案の確定の前に、住民からの意見を直接聞く公聴会を合わせて開催すべきです。

  • MOX燃料の危険性について

新規制基準では、重大事故対策が新たに加わっていますが、本審査書案では、MOX燃料を用いた場合の解析がなく、ウラン燃料を用いる通常の運転と同じ扱いとなっており、プルサーマル運転の危険性について考慮されていません。MOX燃料はウラン燃料とは異なり、燃料が溶融する温度が低く溶融しやすい、制御棒の効きが悪い、臨界に達しやすいなどの危険性があります。MOX燃料の場合、長寿命核種の影響で、重大事故で放出される放射能はウラン燃料よりも多くなり、被害が拡大します。このような危険性について検討されていない本審査書案は、科学的・技術的に不適切と考えます。

  • 避難計画について

重大事故を想定した避難計画を含む原子力防災計画が適切で実効性のあるものかどうかを確認する法的な手続きがなく、適合性審査でも検討の対象となっていないのは重大な欠陥です。愛媛県は2014年、住民避難のシミュレーション(「愛媛県原子力防災広域避難対策(避難時間推計)検討調査」)の結果を加え、広域避難計画を改定しました。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、避難計画が必要な半径30キロ圏内では7市町に13万人が暮らしています。シミュレーションによると、13万人が圏外に出るのにかかる時間は、避難ルートの指定や車の相乗りなどで渋滞を抑制した場合、最短で6時間15分です。半島のほぼ全体を占める伊方町の人口約1万人のうち約5000人は原発の西側に住んでいます。事故で放射性物質が漏れた場合は、半島の先端近くにある三崎港から船で大分県などに避難する計画になっています。5000人が海路で30キロ圏外へ避難する場合、民間のフェリーと自衛隊や海上保安庁などの協力を得れば最短4時間半で可能とされていますが、東日本大震災と福島原発事故の際の津波の状況を考えると、船で避難するのは非現実的です。

◆10~20ページ(地震動評価)

基準地震動が平均像で計算されていて、最も危険な値を踏まえるものになっていないことは深刻・重大です。四国電力が申請している650ガルは明らかに過小評価です。

伊方原発は北に日本最大級の断層系である中央構造線、南に、活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っており、地震国日本の原発の中でも大地震に襲われる可能性の高いものです。伊方原発の非常用発電機が動かなかったり、燃料が切れたりすれば、全電源喪失という東電福島第一原発事故でみたことが繰り返される可能性があります。

◆365~412ページ(重大事故対策)

伊方原発は、大規模地震などの場合には事故対策のための要員や物資の搬入さえ困難な地理的条件に置かれています。そして、汚染水の漏出があっても、狭隘な敷地ではそれを貯めるタンクや汚染水の処理施設など設ける場所はありません。しかも、瀬戸内海は閉鎖性水域であり、汚染水により死の海となる可能性は否定できません。

また、南海トラフ巨大地震によって、四国中の火力発電所は津波の被害を受けて長期間停止し、広域停電が長期にわたるとの警告があります(河田惠昭・関西大学教授)。その一方で、伊方原発の非常用ディーゼルは、わずか10日分しかありません。全電源喪失が原因でメルトダウンを起こした福島第一原発事故の二の舞になる危険性があります。

◆419ページ(大規模な自然災害又は故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応)

佐田岬半島は、岩国基地と沖縄を結ぶ米軍飛行ルート下に含まれており、原発が飛行ルート確認の目印に使われていると言われています。1988年には、伊方原発直近のみかん畑に大型ヘリが墜落し乗組員7人が死亡した事故が実際に起きました。テロ対策の観点からは、大型飛行機が伊方原発を直撃するケースも検討するべきです。

◆430ページ(審査結果)

福島第一原発事故から4年が経過した現時点でも、10万人を超える放射能汚染被害者が避難生活を継続しており、福島第一原発からの放射能の流出が止まらない状況が継続しています。この現実を現代科学技術が解決できないままに、電力会社から提出された原発再稼働のための許可申請書を審議すること自体が、著しく非科学的な行動です。現代科学の敗北を認め、原子力を放棄することこそが、科学的な選択です。そのうえで、放射能汚染の被害者を完全に救済し、原発の安全な廃炉と核廃棄物の保全を推進することに、科学者の皆さんは全力で取り組んでください。

(2015年6月29日掲載)

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