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「新たな環境下における使用済み燃料の再処理等について」への意見提出


経済産業省が、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会の下に、原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループを設置し、「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案)」をまとめ、意見募集がありました。
これに対し、生活クラブ生協・東京として意見を提出しました。

【意見の内容】

  1. 原子力・核燃料サイクル政策を推進することの是非を再検討し、「原子力の放棄」を政策としてください。
     
  2. 新たな認可法人を設立して政策責任を曖昧にしてしまうのではなく、原子力・核燃料サイクル政策を推進した国が、その政策の後始末として使用済み燃料の保管と最終処分の責任を取ってください。
     
  3. 使用済み核燃料の処分費用は、私たちの世代の政策判断ミスによる負債です。子どもたちや子孫の世代に迷惑のかからない十分な資金を、現在の原子力事業者から徴収し、きちんと積み立てておくことが必要です。

以下、全文


「新たな環境下における使用済み燃料の再処理等について(案)」に対する意見募集について

生活クラブ生協・東京

[意見1]
(意見内容)
原子力・核燃料サイクル政策を推進することの是非を再検討し、「原子力の放棄」を政策としてください。

(該当箇所)「1.はじめに」1行目「我が国は、・・・核燃料サイクルの推進を基本方針としている」
「6.留意事項」終わりから4行目「原子力・核燃料サイクル政策の推進にあたり」
<参考4>核燃料サイクルの意義

(理由)
新たな環境下で、原子力事業者が核燃料サイクルの維持管理を継続することが不可能になったという認識は、共有できます。それは逆に、電力自由化により再生可能エネルギーを積極的に開発してゆく環境が整ったということです。平成26年4月に閣議決定したエネルギー基本計画を再検討して、原子力・核燃料サイクル政策の推進を止めて「原子力の放棄」を新政策として提案してください。
<参考4>核燃料サイクルの意義に再処理により高レベル廃棄物の体積を少なくし潜在的有害度が少なくなると記されていますが、これは抽出したプルトニウムやウランを新たな核燃料として有害物の計算から除外する机上の空論です。実際には、再処理で取り出したこれらの核燃料を、使用せずにそのまま埋設処分すれば体積も有害度も同じですし、原子炉で核燃料として使用すれば新たな死の灰を含んだ使用済み燃料になり元よりも多量の核廃棄物になります。高レベル廃棄物もまた増殖するのです。
更に、プルトニウムが核兵器に転用されないように、厳重な管理を継続しなければなりません。

[意見2]
(意見内容)
新たな認可法人を設立して政策責任を曖昧にしてしまうのではなく、原子力・核燃料サイクル政策を推進した国が、その政策の後始末として使用済み燃料の保管と最終処分の責任を取ってください。

(該当箇所)
「4.新たな事業実施体制の構築」

(理由)
「2.新たな環境下で生じる課題や懸念への対応の必要性」には「原子力事業者が使用済み燃料を発生させた主体として、発生者負担の原則に沿って、引き続き、責任を果たすことを大前提とすべきである。」と記載があります。まさに、その通りです。
しかし、その原子力事業者を株式会社から解散できない認可法人に改組するのではなく、新たに別の認可法人を設立しようとする心には、現在の原子力事業者では再処理事業を担いきれないという配慮がうかがえます。そうであるなら、屋上屋を重ねるような別の組織を設立するのではなく、原子力政策を推進した国が自ら責任をとるしかありません。
また、国で担わない理由として、「再処理等はこれまで民間主体で事業が実施されてきた経緯があり、関連する技術や人材が民間に集積していることなど」を挙げられていますが、これは理由になりません。新しい認可法人を設立しても民間事業者の日本原燃が実務を担う現在の体制がそのまま継続されます。
それならば、新法人などを作らず、国が日本原燃に直接委託するほうが、責任も財源も明確です。
新しい認可法人の運営コスト分が負担増加になる危惧について検討をしていません。官民一体のいわゆる「原子力ムラ」にとって新たな天下りポストと収入源を作るだけになることを危惧します。

[意見3]
(意見内容)
使用済み核燃料の処分費用は、私たちの世代の政策判断ミスによる負債です。子どもたちや子孫の世代に迷惑のかからない十分な資金を、現在の原子力事業者から徴収し、きちんと積み立てておくことが必要です。

(該当箇所)
「6.留意事項」「およそ新法人や事業者が予見し難い事態によって追加的な費用が必要」

(理由)
事業期間が長期にわたることから、何らかの「想定外」の事態になったときに決定をした私たちの世代はもういないことが、簡単に想定できます。私たちの世代が十分な資金を安全な資産に変えて積み立てておかなくてはなりません。
原子力事業者による既存の積立残高は2.4兆円ですが、現在の使用済み核燃料をすべて処分するための費用としては不十分です。その全額を原子力事業者は負債として計上してでも支払う義務があります。これは過去の発電に係るコストであり、未来の電気料金に負担させるべきものではありません。
そして、今後に原子力事業者が原発を運転して使用済み核燃料を排出した場合は、その都度、その処分費用の全額を支払う仕組みにするべきです。
したがって、将来の処分費用の見積もりをする人には、未来に対する重い責任が発生します。

以上

【2016年1月29日掲載】

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