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遺伝子組換えイネ、トウモロコシ等の使用承認に反対のパブコメを提出しました

2月9日に農林水産省および環境省より、「遺伝子組換えイネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認申請案件」に対するパブリックコメントの募集がありました。生活クラブ東京では、予防原則や遺伝子汚染への懸念から、今回の承認案件に反対の意見を提出しました。≫全文はこちら

カルタヘナ法に基づく第1種使用規程を承認した遺伝子組み換え農作物一覧(2016年1月26日現在)

生活クラブ生協では、安全性への不安や環境汚染の懸念から、遺伝子組み換え作物・食品は取り扱わないことを基本とし、加工食品原料や畜産飼料について対策を進め、遺伝子組み換えに反対の声をあげてきました。
≫生活クラブの遺伝子組み換え対策はこちら

しかし、国内ではこれまでに遺伝子組み換え農産物11品目310件が承認されている状況です。

さらに、今回は遺伝子組み換えイネの承認も含まれており、国内の一般農作物との交雑が懸念されます。遺伝子汚染が引き起こされた際の調査・賠償責任の法的整備も整っていないなど、承認には多くの問題をはらむとして、反対意見を提出しました。

▼おおぜいで意見を送ろう!

パブコメはどなたでも提出できます。遺伝子組み換え作物に対する不安や「食べたくない」「反対」という意見など、ぜひおおぜいで提出しましょう!


※外部リンクです。ページ下部の「意見提出フォーム」から送信することができます


 遺伝子組換えイネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先だっての意見

2016年2月25日
生活クラブ生活協同組合・東京 理事長 土谷 雅美
〒156-0051 東京都世田谷区宮坂3-13-13
電話 03-5426-5202 FAX 03-5426-5203

 このたびの「遺伝子組換えイネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認申請案件」については、以下の観点から容認することができません。

■多国籍企業戦略への対応について

既に承認された案件を含めて、全て特定の農薬と、それに耐性を持った種子を抱き合わせで販売する多国籍企業の戦略を国が追認するしくみとなっています。これらの企業の戦略は、種子の支配、農薬による環境汚染の点で重大な問題があります。そのような企業活動を、審査という形で国の予算を使ってお墨付きを与えるようなしくみ(「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」)を撤回すべきです。

■カルタヘナ国内法改正について

現行のカルタヘナ国内法では生物多様性影響評価の対象は「野生動植物」に限られています。しかし、現実的な生物多様性の保全に向けては、カルタヘナ国内法を改正し、交雑を防ぐ対象として農作物・外来種も含め、我が国に生育するすべての種を入れることに即刻取り組むべきことと考えます。

■予防原則について

遺伝子組換え技術は未知の部分があり、予防原則に立った監督が必要です。審査報告書の内容につきまして、「…可能性が低いと考えられた。」「…ないと考えられる。」「…考えにくい。」「…考え難い。」という表現が多く見られます。明確なデータや根拠に基づいた判断というより、経験則や諸外国の文献・データの引用に終始した半ば結論ありきの印象がぬぐえません。
「想定外」という言葉は東京電力福島第一原子力発電所事故後、何度も耳にしました。そのような事態を招かないよう、「予防原則」に基づき最悪のシナリオを想定した審査を求めます。

■遺伝子汚染への懸念について

スギ花粉ポリペプチド含有イネの隔離ほ場は近隣に一般田畑があり、鳥や昆虫も侵入し、強風による花粉飛散の懸念があります。万が一遺伝子組み換え作物による一般農作物への遺伝子汚染が起こったとしても、現在の日本には調査責任、賠償責任などの法的整備がないため、実験栽培を認可すべきでないと考えます。
トウモロコシとワタについては、2,4‐D(除草剤アリルオキシアルカノエート系)、ジカンバ、ラウンドアップ、バスタなど、複数の除草剤に抵抗力を持つもので、除草剤耐雑草の広がりが懸念されるため、より幅広い環境影響への評価を求めます。また、ラウンドアップについてはWHOが発がん性を認めたこともあり、人間の健康への影響を含めた生物多様性評価を求めます。

■審査手続きについて

審査については「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」(以下、「手順書」)に基づき、申請事業者が用意した資料への書類審査によって評価されています。「手順書」の序文では、国内には遺伝子組み換えに対する懸念をする意見の存在を踏まえた上で、「より透明性の高い」審査が謳われていますが、そのねらいとはかけ離れた実態といわざるを得ません。12月21日の1回のみ開催された「生物多様性影響評価検討会総合検討会」では非公開の農作物分科会で承認されたことを前提としています。「開発企業の知的財産等が開示され特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれがあるため」とする非公開の理由ですが、立場が異なる学識経験者に同じ資料を提供して知見を求めることを排除する理由には相当しません。その見解も公開しながら広く国民の意見を求めるべきではないでしょうか。

■パブリックコメントについて

本件に限らず、同様のパブリックコメント募集情報は省庁のホームページを見て知るパターンがほとんどです。記者発表もされているとのことですが、より多くの人たちに情報が届くように、特にインターネットによる情報入手が難しい方への配慮を、多方面への情報発信を強化されるべきと考えます。
審査報告書は審査データの概要のみで、別添資料については社外秘につき非表示になっているため、審査の結論は妥当であるかどうかを判断する根拠が見出せません。
また、審査報告書内容を見ても、専門用語を理解することが困難です。意見に対して「今後の意見・情報の募集につきましては、審査報告書が広く知られるよう努めるとともに、より分かりやすい情報提供方法を工夫していきたいと考えています」という対応方針を示しているにもかかわらず、同じ資料を解説や脚注をつけることなく添付しているなど、工夫されているようには思えません。

以上

(2016年2月25日掲載)

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