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遺伝子組換えイネの使用承認に反対のパブコメを提出しました

2月19日に環境省および文部科学省より、「遺伝子組換えイネの第一種使用等に関する承認申請案件」に対するパブリックコメントの募集がありました。生活クラブ東京では、予防原則や遺伝子汚染への懸念から、今回の承認案件に反対の意見を提出しました。
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生活クラブ生協では、安全性への不安や環境汚染の懸念から、遺伝子組み換え作物・食品は取り扱わないことを基本とし、加工食品原料や畜産飼料について対策を進め、遺伝子組み換えに反対の声をあげてきました。
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しかし、国内ではこれまで遺伝子組み換え農産物11品目312件が承認されています。

特に、米どころである東北にある国立大学法人の東北大学での実験ということもあり、国をあげての遺伝子組換えイネの開発に強く抗議し、実験中止を求めます。


 遺伝子組換えイネの第一種使用等に関する承認に先だっての意見

2016年3月17日
生活クラブ生活協同組合・東京 理事長 土谷 雅美
 

 このたびの「遺伝子組換えイネの第一種使用等に関する承認申請案件」については、以下の観点から容認することができません。

遺伝子組換えイネの栽培に反対します

今回申請されているのは、日本の米どころの東北にある国立大学法人の東北大学での実験ということで、大変遺憾です。TPP協定による日本の農業への影響が懸念されるなか、国立大学に求められる重要な視点は、遺伝子組換え技術ではなく、従来からの米の品種改良による食味や技術の革新です。国をあげての遺伝子組換えイネの開発に抗議し、実験の中止を求めます。気候変動への対応策として本来なされるべきなのは、環境負荷の大きいライフスタイルの見直しや環境破壊的な農業のあり方の見直しであると考えます。そのような解決策の対極にあるとも言える遺伝子組換えによってイネの収量を上げようという日本政府の姿勢に反対します。

■カルタヘナ国内法改正について

現行のカルタヘナ国内法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物野多様性の確保に関する法律」では、生物多様性影響評価の対象は「野生動植物」に限られています。しかし、現実的な生物多様性の保全に向けては、カルタヘナ国内法を改正し、交雑を防ぐ対象として農作物・外来種も含め、我が国に生育するすべての種を入れることに即刻取り組むべきことと考えます。

■予防原則について

審査報告書の内容につきまして、「…可能性は低いと考えられる。」「…ないと考えられる。」「…考えにくい。」「…考え難い。」という表現が多く見られます。明確なデータや根拠に基づいた判断というより、経験則や諸外国の文献・データの引用に終始した半ば結論ありきの印象がぬぐえません。「想定外」という言葉は東京電力福島第一原子力発電所事故後、何度も耳にしました。そのような事態を招かないよう、「予防原則」に基づき最悪のシナリオを想定した審査を求めます。

■遺伝子汚染・交雑防止措置への懸念について

組換え植物隔離ほ場周囲に防風林があるものの、隔離ほ場から400mの所に近隣に一般田畑があります。隔離ほ場では昆虫の侵入、強風による花粉飛散の懸念があります。北海道が2008年度に行なった調査では、600m以上の距離と推定される近隣農家の作付け品種による交雑が確認されました。近隣の田畑との距離が近すぎます。また、20mmメッシュの防雀網では、花粉の飛散を完全に防ぐことはできません。万が一遺伝子組換え作物による一般農作物への遺伝子汚染が起こったとしても、現在の日本には調査責任、賠償責任などの法的整備がないため、実験栽培を認可すべきでないと考えます。

試験終了後の不活性化について

試験終了後速やかに隔離ほ場内に鋤き込むことによる不活化では不十分と考えます。試験ほ場における遺伝子組換えイネの自生が起こることが懸念されます。また、米国では未承認の遺伝子組換えイネが市場に出る事故が起こっており、原因はいまだにわかっていません。第一種使用規程承認申請書には、緊急措置計画について記載されていますが、いったん生物多様性や近隣の農作物に交雑の影響が出たとしたら、それをもとに戻すことは不可能であり、原因を突き止めることも難しいのです。このように、地域の稲作に影響を与える可能性のある遺伝子組換えイネの実験栽培に反対します。

審査手続きについて

今回の承認申請について生物多様性影響に関して学識経験者から意見を聴取したとありますが、学識経験者11人から意見を聴取するために開催した会合の日時・場所・聴取方法および議事録等については全く公開されていません。審査については「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」(以下、「手順書」)に基づき、申請事業者が用意した資料への書類審査によって評価されています。「手順書」の序文では、国内には遺伝子組み換えに対する懸念をする意見の存在を踏まえた上で、「より透明性の高い」審査が謳われていますが、そのねらいとはかけ離れた実態といわざるを得ません。立場が異なる学識経験者に同じ資料を提供して知見を求めることを排除する理由には相当しません。その見解も公開しながら広く国民の意見を求めるべきではないでしょうか。

■パブリックコメントについて

本件に限らず、同様のパブリックコメント募集情報は省庁のホームページを見て知るパターンがほとんどです。記者発表もされているとのことですが、より多くの人たちに情報が届くように、特にインターネットによる情報入手が難しい方への配慮を、多方面への情報発信を強化されるべきと考えます。審査報告書は審査データの概要のみで、別添資料については社外秘につき非表示になっているため、審査の結論は妥当であるかどうかを判断する根拠が見出せません。また、審査報告書内容を見ても、専門用語を理解することが困難です。意見に対して「今後の意見・情報の募集につきましては、審査報告書が広く知られるよう努めるとともに、より分かりやすい情報提供方法を工夫していきたいと考えています」という対応方針を示しているにもかかわらず、同じ資料を解説や脚注をつけることなく添付しているなど、工夫されているようには思えません。

以上

(2016年3月29日掲載)

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