機関紙『街かど』2023年10月号
班配送から始まった生活クラブの共同購入ですが、ライフスタイルの多様化に対応して個別配送が始まり、さらに2004年には東京に初めてのデポーがオープンしました。生活クラブ・東京のデポーは現在10店舗あり、そのうち北東京には3店舗のデポーがあります。組合員がつくるお店であるデポーは、オープンするまでに1,000~,1200人の組合員を集めます。単なる店舗ではなく、大きな班のように共同購入を実現して、組合員みずからが主体的に運営していくのがデポーです。デポーヴィラージュ構想※の実現を目指し、消費材が並び組合員が行き交うデポーでは、配送の利用とは違った生活クラブの楽しみ方を実現することができます。
※デポーヴィラージュ構想
ヴィラージュは「村」を意味します。デポーを中心に高齢者も幼い子どもも集まれるような溜まり場として、買い物するだけではない、地域の拠点としてのデポーの方向性を示しています。2005年10月北東京策定。
デポーの楽しみ方
1 消費材を手にとることができます!デポーでしか取り組みのない消費材もあります♪
2 展示会があります!スーツ、メガネ、靴、バッグ、ジュエリー…。どれも良質で、カタログでは扱いがありません。
3 組合員同士の交流拠点です!各デポーには組合員集会室があり、企画やカフェなどが開催され、活動や交流の拠点となっています。
組合員がデポーをつくる!
2018年にオープンしたデポーすぎなみ永福は、2016年から建設に向けての討議が始まりました。杉並区にデポーをつくるには、まち組合員の合意が必要です。まち総会で杉並区でのデポー建設が決定しました。2017年度からは「すぎなみにデポーをつくる会」が月に1回開催され組合員が参加、建設地、どんなデポーにするか、デポー組合員を集めることが討議されました。2年かけて建設地が決まり、2018年12月、組合員1,237人を集めてオープンしました。
働く場としてのデポー
デポーの役割としてもうひとつ、働く場の創出、地域経済への貢献があります。
デポーのフロアー業務を担っているのは、ワーカーズ・コレクティブ*で、働く立場でデポーの運営と経営を担っています。どんなデポーを作っていくのか、組合員とともに考え実現をめざしています。青果、鮮魚、肉、日配品、惣菜など、消費材に囲まれ、組合員におすすめしたり、情報提供したりします。自分たちで店づくりをするわけですから、働きがいがあります。働く人は随時募集していますので、興味がある方は、デポーで、ワーカーズにお声がけください。また、P.7からも申し込めます。
*ワーカーズ・コレクティブ:全員が同じ立場で経営に責任を持ちながら働く人の協同組合です。
Depot de Action デポーでアクション
デポーは組合員が、利用するだけでなく自らが運営にも参加するお店です。その中の一つのしくみが「ワークシステム」で北東京生活クラブでは「Depot de Action(デポーでアクション)」として、運用しています。組合員がデポーのさまざまな作業(アクション)を担うことでデポーの運営を支えます。アクションに参加すると、当該のデポーで使えるお買物ポイントがもらえます。品出しや野菜の袋詰め、ニュース類の帳合や配付作業、年末予約品の仕分けや受渡しなどの作業があります。アルバイトなどの仕事とは違い、組合員がデポーの運営に参加するためのしくみです。石神井、いたばし、すぎなみ永福でのアクションには北東京生活クラブの組合員なら、登録すればだれでも参加できます。詳しくは、デポーに来所した際にお尋ねください。
フロアーアピール
デポーは共同購入を通じて、さまざまな人が出会う場でもあります。
なかでも、生産者と出会う機会が持てるのが、「フロアーアピール」です。生産者が直接デポーを訪れ、消費材の説明をしたり、組合員の質問に答えたりします。生産者に会いにデポーへ行ってみましょう!また、フロアーアピールの時には、生産者と一緒にフロアーに立って活動できるアクションもあります。
試食提供の作業などをしながら、間近で生産者と話すことができ、さらにアクションとしてお買い物ポイントももらえます。
デポー委員会
デポーのあるまちでは組合員による「デポー委員会」を形成して活動します。春まつりや秋まつり、周年まつりなどの催しではフロアーワーカーズと協力してガラポン抽選会などを企画して盛り上げたり、組合員集会室を使った試食会や学習会などを催したりしています。組合員集会室では、委員会の活動以外にも組合員によるサークル活動が行われているデポーもあり、活動の場にもなっています。
P4 サステイナブルな私たちの消費材 食肉