【組合員のみなさま】21年度「福島の子どもと知る権利を守る活動」甲状腺検査へのご協力ください
福島第一原発事故から10年が経過しました。放射能による健康被害が懸念される中、福島県では事故当時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査が進められました。21年1月15日に公表された福島県民調査報告書によると、甲状腺がんおよび疑いのある人は252人とされています。
「100万人に一人」とされる小児甲状腺がんの発生率よりも明らかに高い率ですが、「福島県の「県民健康調査検討委員会」は中間とりまとめで甲状腺がんの多発は認めているものの『放射線の影響とは考えにくい』と評価しました。同委員会ではその後も甲状腺がんと放射線被ばくの関連を否定する見解を出しています。さらに甲状腺がんの多発は「スクリーニング効果」により本来治療の必要のない症例まで発見している「過剰診断」であるとの意見や「検査によるメリットとデメリットを説明すべき」との意見など、検査を縮小する意図がみられます。
2016年7月に甲状腺がんの子どもたちの支援を目的に設立された特定非営利活動法人「3・11甲状腺がん子ども基金」では、甲状腺がんと診断されたお子さん161人(福島県および県外)に療養費を給付(2020年3月末現在)していますが、うち、56人は県外のお子さんです。県外の場合、自覚症状が表れるなどがんが進行してから治療を受けるケースが多く、福島県民に比べ発見が遅れがちとみています。
チェルノブイリ原発事故後のベラルーシ政府の報告書では、小児甲状腺がんの罹患率のピークは10年後の1996年であったとしています。刻々と変化する状況に対し、市民の側からの検証として、検査活動を継続していくことが必要です。
お子さんの甲状腺検査のご協力をお願いします
生活クラブでは、福島県内外の検査結果を比較するため、生活クラブふくしまから全国の生活クラブに呼びかけ、2012年より甲状腺検査を継続しています。
これまでの報告はこちら(生活クラブ連合会 2020年12月25日掲載記事)
検査にご協力いただける方を募集します
市民の立場でデータを蓄積することが、現状を把握し、放射能による影響を明らかにすることにもつながります。ぜひご協力をお願いします。
問合せ先
生活クラブ東京 役員室(03-5426-5202)まで
▼ご協力をお願いする内容
1.原発事故当時18歳までのお子さんの甲状腺検査を医療機関で受けてください。
- 甲状腺エコー(超音波)検査と、可能な場合は問診を受けます(レントゲンなどは行ないません)。実施できると確認できた医療機関がありますので、ご案内します。前回受診された方は、12カ月のインターバルが必要です。
2.検査結果を記録し、生活クラブに提供してください。
- 検査結果を簡単な用紙に記入し、生活クラブに提供をお願いします。いただいた個人情報は生活クラブでしっかりと管理し、組合員および本人への不利益とならないようにします。
3.お子さんの長期休みでの受診をおすすめしています。
- 受診は通年で対応可能です(医療機関によっては曜日・時間等に限りがあります)。
- 生活クラブでは、日程の都合がつきやすい、お子さんの夏休み・冬休み期間の受診をおすすめしています。受診時期が決まりましたら、お申込みボタンよりご連絡をお願いいたします。
- ※新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえて、受診時期はご家庭での判断や受診予定の医療機関とのご相談をお願いします。
4.生活クラブの災害復興支援カンパにより費用を補助します。
- 甲状腺検査は健康診断扱で保険適用外となる医療機関があります。その場合も、生活クラブで行なっている災害復興支援カンパにより検査費用・交通費を補助します。
- 注意:この活動は生活クラブ組合員以外の方の参加もできますが、検査費用・交通費の補助は生活クラブ組合員のみとなりますので、ご了解ください。検査結果は、生活クラブふくしまでの追加調査の結果も踏まえ、福島県と全国の生活クラブの検査結果を比較し、生活クラブ連合会で検査活動について結果をまとめます。