【意見箱に投稿を!】第7次エネルギー基本計画への意見提出を呼びかけます
エネルギー基本計画は、国のエネルギー政策の方向性を決める重要なものです。通常2~3年ごとに見直しがされ、今年5月には総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会が開催され、第7次エネルギー基本計画策定の議論が開始しました。今年12月には素案がまとめられ、2025年には閣議決定となる見通しです。
気候危機の問題も待ったなしの状況であるにも関わらず、討議の方向性は懸念があります。政府は2022年、原発や脱炭素新技術を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)」を打ち出しました。「GX2040ビジョン」では、第6次計画まで盛り込まれていた「可能な限りの原発依存度の低減」が取り消され、「原発の最大限の活用」が掲げられています。
気候危機の問題も待ったなしの状況であるにも関わらず、討議の方向性は懸念があります。政府は2022年、原発や脱炭素新技術を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)」を打ち出しました。「GX2040ビジョン」では、第6次計画まで盛り込まれていた「可能な限りの原発依存度の低減」が取り消され、「原発の最大限の活用」が掲げられています。
脱原発・脱炭素・再エネ中心の未来に向けて!意見箱に投稿しよう
エネルギー基本計画の見直しに向け、資源エネルギー庁では、現在、国民からの意見を募集する「エネルギー政策に関する意見箱」を設置しています。
未来を左右する重要なエネルギー基本計画に、一人ひとりの意見を反映できるよう、生活クラブ東京として意見箱に提出したほか、ひろく投稿を呼びかけます。
投稿は、だれでも可能です。
内容は、短くても構いません。
ぜひ、あなたのエネルギーに対する思いを投稿しましょう!
※討議の状況を予測し、11月中旬までの投稿を呼びかけます
生活クラブ東京で提出した意見はこちら
どんなことを書けばいいか迷った方はこちら
私たち生活クラブ生活協同組合は、人間が人間らしく自然と共生して持続的に生きていくために「食料」「エネルギー」「ケア」の自給ネットワークづくりをめざし、エネルギー政策においては「省エネ」「脱原発」「エネルギー自治」「CO2削減」を基本に事業をすすめています。2012年には秋田県にかほ市に「生活クラブ風車夢風」を建設し、その後も再生可能エネルギー発電所を自ら開発し広げています。また、2016年には新電力「㈱生活クラブエナジー」を立ち上げ、再生可能エネルギーを中心とした「生活クラブでんき」の共同購入をスタートし、現在全国で2万人近い組合員が参加しています。
近年、日本各地で酷暑や集中豪雨など、気候危機により災害が激甚化しており、危機的な状況に陥っています。これは世界的な状況で、今、人類が存在できるかどうかの大分岐に立たされています。エネルギーの自給は「国民のいのちを守る」安全保障の観点からも大変重要です。第7次基本計画が、再生可能エネルギーを中心とし、持続可能な未来を実現できる計画となるよう、以下意見を申し述べさせていただきます。
1.脱原発、脱石炭火力を脱炭素政策の柱として早急に実現することを求めます。
EUや米国では自らの域内で再生可能エネルギー開発を加速し、気候危機やエネルギー危機の克服を目指しています。一方、日本は脱炭素化にむけたGX推進を打ち出し、原発の再稼働や次世代型新炉新設、60年以上の運転を可能とする稼働延長などの原発推進政策への転換や、CCS/CCUS力で石炭火力の延命や石炭火力の温存政策をとっています。
東京電力福島第一原発ではいまだ廃炉の見通しも立たない状況の中、原発推進は容認できるものではありません。再稼働、運転延長、新増設・リプレースや新型炉の開発などの一切をやめ、原発に頼らないエネルギーへの転換を求めます。また、「地球加熱化対策」は地球規模で最優先事項です。火力発電の中でも一番多くのCO2を排出する石炭火力の廃止期限を設定し、化石燃料からの脱却を求めます。
2. 2035年の再生可能エネルギー電力目標80%以上にすることを求めます。
2023年3月IPCC第6次評価報告書(統合報告書)で、「2035年までに世界全体で60%の温室効果ガスの削減、二酸化炭素でいうと65%、2040年までには80%の二酸化炭素の削減が必要」とし、2030年目標に加え、2035年までの更なる削減を求めました。2022年G7サミットでは「2035年までに電力部門の全て、または大部分を脱炭素化する」目標が合意されており、70~80%という高い再生可能エネルギー導入目標をもっています。2035年の電力の脱炭素化を日本で実現するには、既に実用段階にあり、日本でもコスト低下のすすむ再生可能エネルギー電源の導入をいっそう加速するしかありません。政府は、古いエネルギー供給体制や産業の維持に固執するのではなく、再生可能エネルギーへのエネルギー転換をすすめるべきです。
3.エネルギー基本計画の議論への市民参加と策定にかかる主要会議の委員構成の改善を要望します。
現在エネルギー基本計画策定プロセスには、市民が参加する場がほとんどなく、委員構成も業種、年齢、性別に偏りが見られます。審議会における検討に若い世代を含む多様な立場の専門家や環境団体、市民の参加を確保するとともに、民主的で透明なプロセスによる「国民的議論」を行うことを求めます。
※「ワタシのミライ」WEBサイト「エネルギー基本計画に意見を出そう」より掲載
未来を左右する重要なエネルギー基本計画に、一人ひとりの意見を反映できるよう、生活クラブ東京として意見箱に提出したほか、ひろく投稿を呼びかけます。
投稿は、だれでも可能です。
内容は、短くても構いません。
ぜひ、あなたのエネルギーに対する思いを投稿しましょう!
※討議の状況を予測し、11月中旬までの投稿を呼びかけます
生活クラブ東京で提出した意見はこちら
どんなことを書けばいいか迷った方はこちら
1. 生活クラブ東京として投稿した意見
生活クラブ東京として、下記内容を提出しました。生活クラブ生活協同組合・東京
私たち生活クラブ生活協同組合は、人間が人間らしく自然と共生して持続的に生きていくために「食料」「エネルギー」「ケア」の自給ネットワークづくりをめざし、エネルギー政策においては「省エネ」「脱原発」「エネルギー自治」「CO2削減」を基本に事業をすすめています。2012年には秋田県にかほ市に「生活クラブ風車夢風」を建設し、その後も再生可能エネルギー発電所を自ら開発し広げています。また、2016年には新電力「㈱生活クラブエナジー」を立ち上げ、再生可能エネルギーを中心とした「生活クラブでんき」の共同購入をスタートし、現在全国で2万人近い組合員が参加しています。
近年、日本各地で酷暑や集中豪雨など、気候危機により災害が激甚化しており、危機的な状況に陥っています。これは世界的な状況で、今、人類が存在できるかどうかの大分岐に立たされています。エネルギーの自給は「国民のいのちを守る」安全保障の観点からも大変重要です。第7次基本計画が、再生可能エネルギーを中心とし、持続可能な未来を実現できる計画となるよう、以下意見を申し述べさせていただきます。
1.脱原発、脱石炭火力を脱炭素政策の柱として早急に実現することを求めます。
EUや米国では自らの域内で再生可能エネルギー開発を加速し、気候危機やエネルギー危機の克服を目指しています。一方、日本は脱炭素化にむけたGX推進を打ち出し、原発の再稼働や次世代型新炉新設、60年以上の運転を可能とする稼働延長などの原発推進政策への転換や、CCS/CCUS力で石炭火力の延命や石炭火力の温存政策をとっています。
東京電力福島第一原発ではいまだ廃炉の見通しも立たない状況の中、原発推進は容認できるものではありません。再稼働、運転延長、新増設・リプレースや新型炉の開発などの一切をやめ、原発に頼らないエネルギーへの転換を求めます。また、「地球加熱化対策」は地球規模で最優先事項です。火力発電の中でも一番多くのCO2を排出する石炭火力の廃止期限を設定し、化石燃料からの脱却を求めます。
2. 2035年の再生可能エネルギー電力目標80%以上にすることを求めます。
2023年3月IPCC第6次評価報告書(統合報告書)で、「2035年までに世界全体で60%の温室効果ガスの削減、二酸化炭素でいうと65%、2040年までには80%の二酸化炭素の削減が必要」とし、2030年目標に加え、2035年までの更なる削減を求めました。2022年G7サミットでは「2035年までに電力部門の全て、または大部分を脱炭素化する」目標が合意されており、70~80%という高い再生可能エネルギー導入目標をもっています。2035年の電力の脱炭素化を日本で実現するには、既に実用段階にあり、日本でもコスト低下のすすむ再生可能エネルギー電源の導入をいっそう加速するしかありません。政府は、古いエネルギー供給体制や産業の維持に固執するのではなく、再生可能エネルギーへのエネルギー転換をすすめるべきです。
3.エネルギー基本計画の議論への市民参加と策定にかかる主要会議の委員構成の改善を要望します。
現在エネルギー基本計画策定プロセスには、市民が参加する場がほとんどなく、委員構成も業種、年齢、性別に偏りが見られます。審議会における検討に若い世代を含む多様な立場の専門家や環境団体、市民の参加を確保するとともに、民主的で透明なプロセスによる「国民的議論」を行うことを求めます。
以上。
2. どんなことを書けばいいの?
なにか書きたいけれど、何から書いたらわからない、という方は下記をご参照ください。※「ワタシのミライ」WEBサイト「エネルギー基本計画に意見を出そう」より掲載
1.プロセスの問題
エネルギー基本計画策定プロセスには、市民が参加する場がほとんどありません。
審議会における検討に若い世代を含む多様な立場の専門家や環境団体、市民の参加を確保するとともに、民主的で透明なプロセスによる「国民的議論」を行うことを、市民団体などは求めています。
2.野心的な気候変動目標が必要
エネルギー基本計画の見直しとあわせ、2030年の温室効果ガス削減目標を、1.5℃目標やCOP28合意に整合させ、先進国としての責任を果たせる水準に引き上げることが必要です。現状の2013年度比46%削減(50%の高みをめざす)では、不十分です。
加えて、2035年に向けた新たな野心的な削減目標(*)を設定し、遅くとも2025年2月までに国連に提出することが必要です。
*「世界全体で2035年までに60%以上削減(2019年比)」を大きく上回る目標
3.2035年までに、原子力を使わずに電源の脱炭素化を
G7サミットで合意されている「2035年までに電源のほぼすべてを脱炭素化する」目標は、原子力に頼らず省エネと再エネで実現する必要があります。
COP28で合意された「化石燃料からの脱却」と「2030年までの再エネ設備容量3倍及びエネルギー効率改善率2倍」というグローバル目標に、先進国である日本として大きく貢献する必要があります。
4.原子力は新増設・リプレースや新型炉の開発をやめ、期限を定めて廃止を
原子力について、再稼働、運転延長、新増設・リプレースや新型炉の開発をやめること。原子力規制や避難計画なども見直す必要があります。
既存の原発も期限を定めて廃止が必要です。
現在、産業界や電力業界は、原発の新増設・リプレースを明確に書き込み、これまでの大方針である「原発依存度の低減」の削除を求めています。
5.化石燃料を延命する新技術には頼らないこと
決定的に重要なこの10年に実用化が間に合わず、実現可能性が不確実かつ高コストで、環境・社会への悪影響が懸念される化石燃料関連の新技術(水素・アンモニア、CCS等)には頼らずに、化石燃料自体からの脱却が必要です。
6.クリーンな雇用の確保や地域への支援、人々のくらしのサポート、格差や不平等の是正を
原子力と化石燃料から、省エネ・再エネを中心とした産業・社会構造への公正な移行が円滑に進むよう、クリーンな雇用の確保や地域への支援、人々のくらしのサポート、格差や不平等の是正に取り組む方針が必要です。
エネルギー基本計画策定プロセスには、市民が参加する場がほとんどありません。
審議会における検討に若い世代を含む多様な立場の専門家や環境団体、市民の参加を確保するとともに、民主的で透明なプロセスによる「国民的議論」を行うことを、市民団体などは求めています。
2.野心的な気候変動目標が必要
エネルギー基本計画の見直しとあわせ、2030年の温室効果ガス削減目標を、1.5℃目標やCOP28合意に整合させ、先進国としての責任を果たせる水準に引き上げることが必要です。現状の2013年度比46%削減(50%の高みをめざす)では、不十分です。
加えて、2035年に向けた新たな野心的な削減目標(*)を設定し、遅くとも2025年2月までに国連に提出することが必要です。
*「世界全体で2035年までに60%以上削減(2019年比)」を大きく上回る目標
3.2035年までに、原子力を使わずに電源の脱炭素化を
G7サミットで合意されている「2035年までに電源のほぼすべてを脱炭素化する」目標は、原子力に頼らず省エネと再エネで実現する必要があります。
COP28で合意された「化石燃料からの脱却」と「2030年までの再エネ設備容量3倍及びエネルギー効率改善率2倍」というグローバル目標に、先進国である日本として大きく貢献する必要があります。
4.原子力は新増設・リプレースや新型炉の開発をやめ、期限を定めて廃止を
原子力について、再稼働、運転延長、新増設・リプレースや新型炉の開発をやめること。原子力規制や避難計画なども見直す必要があります。
既存の原発も期限を定めて廃止が必要です。
現在、産業界や電力業界は、原発の新増設・リプレースを明確に書き込み、これまでの大方針である「原発依存度の低減」の削除を求めています。
5.化石燃料を延命する新技術には頼らないこと
決定的に重要なこの10年に実用化が間に合わず、実現可能性が不確実かつ高コストで、環境・社会への悪影響が懸念される化石燃料関連の新技術(水素・アンモニア、CCS等)には頼らずに、化石燃料自体からの脱却が必要です。
6.クリーンな雇用の確保や地域への支援、人々のくらしのサポート、格差や不平等の是正を
原子力と化石燃料から、省エネ・再エネを中心とした産業・社会構造への公正な移行が円滑に進むよう、クリーンな雇用の確保や地域への支援、人々のくらしのサポート、格差や不平等の是正に取り組む方針が必要です。
【2024年10月11日掲載】
【2024年10月24日更新】
【2024年10月24日更新】