住まいづくりの現場から~新築編~
■高野台の家■(新築)
東日本大震災で瓦屋根がずれたので、前々から気になっていた、「耐震診断をして欲しい」という相談から始まった計画です。
耐震診断をしてみると、かなり大がかりな補強に成ることが予想されました。
「それなら住みやすさも熱環境的な性能も、新しく取り組んだ方が良さそうだ。」ということで、建替えとして新築を計画しました。
前面道路を挟んで向いにある児童公園の景色を眺めるように、道路側開口部には大きなテラスサッシを配置し、春にはリビングから、公園の桜をお花見することが出来ます。
外観は、シンプルでコンパクト。住宅の前の庭が出来上がれば、道路を挟んだ向かい側の児童公園と、緑の連携を生み出す計画です
駐車場や園路も飛び石を並べただけにしています。庭をコンクリートや舗装材で覆ってしまうのではなく、水や空気が土の中へとゆっくり巡っていくようにすることで、生きた土のある庭になると思っています。
冬が終わって春、この小さな雑木林が新緑におおわれる頃、いろんな生きものたちもこの庭に集まってくると思っています。
■小竹町の家■(新築)
完全分離の二世帯住宅です。1階が親世帯、2階が子世帯。各々が独立した、生活を営めるように計画しました。
2階部分のリビングはを、寝室と中庭を挟んでスキップフロアにしたことで、1階リビングの天井が高く取れ、変化と開放感を生んでいます。
屋根上には、太陽熱温水器を設置して、1階浴室に利用しています。
腰をかけたときにちょうど良い高さにした、小上がり状の和室で、下は引出式の収納になっています。床は杉の無垢材、壁は漆喰仕上げとしています。
2階は小屋組を表わした天井。天井仕上げは杉の無垢材による縁甲板です。天井には断熱材を充填して、熱環境にも配慮しています。
2階キッチンは造作家具。天板には天然の白い花崗岩を使用しています。突き当たりの壁の向こうは洗面脱衣室と、浴室。梁を合わせた間に、照明を仕込んでいます。