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2024年度 草の根市民基金・ぐらん 交流・学習会を開催しました

開催日:2025年01月16日
組合員や市民から寄せられた寄付を原資に、社会的諸問題や多様な市民による地域社会・まちづくりを応援するための活動をすすめている「草の根市民基金・ぐらん」。その助成団体の活動やその背景にある社会の課題を知ること、学ぶことを目的にした『「草の根市民基金・ぐらん」交流・学習会』を2025年1月16日に開催しました。
今回は2023 年度活動団体の中から、2 団体をお招きし、各団体の取組みと、助成事業期間中に協働で行った取組みについてお話しいただきました。

▼生まれながらの犯罪者はいない
NPO法人監獄人権センター 事務局 塩田祐子さん

監獄人権センターは、「生まれながらの犯罪者はいない」という理念を持ち、刑務所・拘置所に収容されている人々に対する人権侵害をなくすために活動しています。私自身、以前はボランティアスタッフをしていて、2014年に職員になりました。

今回ぐらんでいただいた助成では、元受刑者、受刑者家族、支援者が出演するラジオ番組「刑務所ラジオ」(東京府中FMで毎月第二月曜日夜10時から放送中)の放送と、保護司の活動を応援するラジオCMの制作・放送と、イベント開催を行いました。「刑務所ラジオ」は、東京都府中市周辺エリアからはFMラジオ(FM87.4MHz)で、また、無料アプリ「FM++」からは全国から聴くことができます。
「刑務所ラジオ」には、元受刑者の人が毎回必ず一人は出演します。テーマは薬物依存症や女子刑務所の話、刑務所出所後にどうやって生活をしていくかなど、様々なお話をお聞きしました。また、同じくぐらん助成団体の「チームフランポネ」の皆さんにも、ゲストに来て頂いたこともあります。

2023年11月には「プリズンウォーク」を実施しました。府中刑務所の周り1.7キロのコースを歩く企画です。刑務所の塀のすぐ横で起きた3億円事件のお話など、府中市在住の講談師の方に、府中刑務所の歴史について、歩きながらお話し頂きました。2025年は、府中刑務所の開所から90年の年です。今年も何らかの形でイベントを開催したいと思います。

刑務所は、「地域から迷惑施設と思われているのではないか」、と地域住民に気を遣いながら存在しています。災害時には地域の避難所として活用することも増えています。府中刑務所も、2019年の台風の水害の時に避難所になりました。刑務所は建物が頑丈で、食料の備蓄があり、体育館もある。避難所の要件を備えています。刑務所が地域の防災の拠点になろうとしていることは応援したいし、私どもでも情報発信していきたいと考えています。

▼お笑いの力で多文化共生と世界平和を!
チーム「フランポネ」 マヌー島岡さん

吉本興行株式会社に所属し、フランス人の妻と夫婦漫才コンビをしています。お笑いを通じた社会課題の解決をめざし、お笑いの力で世界平和に貢献したい!と活動を始めました。

私自身、海外留学などを経て5か国の外国語を習得。妻もフランス語話者です。そこで、日本に住む外国人向けの漫才で覚えるやさしい日本語講座や、中高生向けの漫才で覚える外国語講座、障がい者と一緒に行うバリアフリー漫才をすすめたりしています。
 
日本には今、約307万人の外国人の方が暮らしています。しかし、まったく日本語ができず、ごみの捨て方がわからない、日本人とコミュニケーションできないなどの問題もあります。
漫才では、やさしい日本語だけで3行くらいの漫才をつくり、実際に演じます。そうすることで、読む・書く・聞く・話すの能力を駆使するので日本語学習として効果があり、いろんな大学で授業に採用され、海外の日本語学校でも講座を実施しています。

さらに、障がいを持つ人との漫才も実施しています。日本では、約963万人が障がい者手帳を持ち、障がい者が利用する施設も約2万か所ありますが、お笑いコンテンツはほとんどありません。エンタメ産業に参入することで、障がい者の雇用拡大だけでなく、障がいに対する印象や思い込みなどを変えることができ、多文化共生にもつながります。

ぐらんの助成金では、D-1グランプリ*を開催。現在は運営費用が助成金になっていますが、将来的には事業収益をあげていきたいと考えています。

*D-1グランプリ…DはDiversity(多様性)の頭文字

▼「ぐらん」をきっかけに出会い、始まった共同事業

その後、ぐらんの公開選考会での出会いがきっかけで、開始した共同事業についてお話がありました。一緒に取り組んだ経緯について、塩田さんはこう語ります。
「2023年のぐらんの公開選考会で、選考委員の方々の議論が白熱したのか、選考にとても時間かかって、応募団体はその間、結果を待っていました。待っている時間に参加者全員で名刺交換をしたのですが、その中で「チームフランポネ」さんの活動に興味を持ちました。マヌー島岡さん、藤田ゆみさんとお会いし、何か協働でやってみようという話になり、お二人には「刑務所ラジオ」に出演して頂きました。
また、マヌー島岡さんと、「刑務所ラジオ」に出演している元受刑者のクマさんでコンビを組み、受刑者の苦労などをネタに漫才をつくり、2023年にM-1グランプリの予選にも出場しました」
今回の交流会では、実際にチーム「フランポネ」のマヌー島岡さんとお笑いコンビを組んだクマさんからもお話を伺いました。
「覚せい剤の犯罪で2回服役しました。薬物は、非常に強力なもので、依存し繰り返してしまう。薬物を辞め続ける為に覚せい剤に代わる、健康的で強烈な体験をすることは大事です。私の場合、漫才をしてみんなの前で発表するという体験があったからこそ、薬物に手を出さずに済んだ。私の場合、薬物をやめて、健康的に楽しめるのがお笑いでした」。

チーム「フランポネ」のマヌー島岡さんは「笑いを取り入れることで、社会課題をたくさんの方に知ってもらえる」と漫才のメリットを語ります。「ひとつの団体でできることは点で終わってしまいますが、団体がつながることで線に、それがつながることで立体になっていく。団体がつながることで、あたらしい活動にひろがりました」。

現在、クマさんは監獄人権センターの活動に参加し、刑務所から出所した人の社会復帰のサポートをしています。「まずは衣食住を整え、安心できる居場所をつくるのが一般的なパターンですが、その中に『楽しい』と思えることがあることが大事です。幸せであれば、犯罪はしない。スティグマ*は外から受けるものもありますが、自分で作り出すものもあります。M-1に出ることで、自分に課したスティグマを解除するきっかけにもなりました」と語ります。

*スティグマ…一般と異なるとされることから差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージのことを指す

その後、質疑応答を経て、参加者みんなで「自らができること」を書き、写真を撮影しました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

\草の根市民基金・ぐらん カンパにご協力ください/

草の根市民基金・ぐらんは、都内・アジアで活動する市民団体に助成をしています。その原資は、組合員や市民から寄せられた寄付金です。地域の活動を活性化させるため、ぜひカンパにご協力ください!
2月22日、公開選考会を開催します。ぜひご参加ください。
【2025年2月18日掲載】

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