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パレスチナ産オリーブオイルの生産者が来日し交流会を開催/生産者からのメッセージ

開催日:2024年10月21日
10月21日、パレスチナよりオリーブオイルの生産者が来日し、生活クラブ館で組合員と交流する場を設けました。今回来日されたのは、(株)オルター・トレード・ジャパンを通じて12月に東京でも取組みのあるオリーブオイルの出荷団体であるUAWC(パレスチナ農業開発センター)の代表のフアッド・アブセイフさんと、現地でオリーブオイルなどのフェアトレード商品を輸出するMGO(Mount of Green Olives)の事業責任者のサイード・ジャナンさん。お二人より、パレスチナの今の状況、オリーブの生産状況について伺いました。

「ガザの飢餓を止めろ」キャンペーン

まずはフアッドさんより、ガザの現状を伺いました。昨年10月7日以降のイスラエル軍によるガザへの攻撃は、ヨルダン川西岸地区、さらにレバノンにまで範囲を広げています。ガザでは学校、病院、ほぼすべてのインフラが破壊されました。9月16日時点のガザの被害状況は、犠牲者41,266人、負傷者95,413人*。この数字は正式に発表されている人数ですが、行方不明や関連死なども入れると、ガザで死亡した人は15万人にのぼるのではという推測もあります。そして、ガザの人口の約9割が強制立ち退きをさせられ、避難生活を強いられています。

*その後、10月24日時点でガザ地区の犠牲者は42,847人、負傷者が100,544人に増加しています。

UAWCは1986年に設立され、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区で活動しています。10/7以降は「ガザの飢餓を止めろ」キャンペーンを実施。封鎖下のガザで緊急支援を行っています。キャンペーンでは、ガザの人々の食料・水、衣料品やテントなどの生活必需品を届けるほか、戦争状況の中、ガザで何が起きているのか調べて発表し、世界の団体と連携しながらアドボカシーを行いイスラエルにプレッシャーをあたえることを目的としています。

フアッドさんは「多くのガザの人は突然空爆されて一刻を争う状況で、家族と逃げるのが精いっぱい。自分の必要なものなにも持ち出しできていない。命からがら逃げている人への緊急支援を続けている」と語ります。

UAWCは、ガザに4つのオフィスがありましたが、そのすべてが破壊されました。スタッフも1人死亡、20名が負傷、全員が立ち退きにあいました。ガザで被害にあっているのは普通の市民。戦争下でどうしたらいいのか訓練も受けていない普通の市民。そういう市民をどう支援するか、非常に課題があると語ります。

ヨルダン川西岸 オリーブ農家の現状

ヨルダン川西岸地区では日常的に移動制限があり、自分たちの住む町・部落から容易に移動できない状況です。そこでも、イスラエルの攻撃により1,000人近くが亡くなり、約1万5,000人がけがをしている状況だといいます。

昨年10月の開戦は、年1回のオリーブの収穫時期に重なっていました。多くの生産者がイスラエル入植者の暴力の被害を受け、畑の40%が収穫できない状況でした。ヨルダン川西岸地区では、1年間で1万本近くの木が抜かれ、イスラエルから攻撃をうけて生産者が亡くなる事件も発生しています。
イスラエルが畑を攻撃する背景には、3年間放置した畑はイスラエルに合法的に接収されてしまうイスラエルの法律があるからです。しっかり剪定し管理しているということを証明することが重要として、農家への支援を進めています。

オリーブの価格は、コストがかかるため他よりも高い傾向があります。しかし、現地の生産者は自らの命、家族の安全、土地の接収などリスクを背負いながら収穫しています。フアッドさんは「今までの収穫期で、農家が被害を受けない年はなかった。それでも自分たちの手でオリーブを収穫することをあきらめない。味、酸度の品質もだが、その向こうにいる農家がどういう思いでいるのか。オリーブオイルの味だけでなく、そうしたことも考えながら使用してもらいたい」と語ります。
サイードさんの所属するMGOでは、家族や自分の命を危険にさらされながら収穫している生産者が品質の良いエキストラバージンオリーブオイルを作ることをサポートすることで、その対価を支払えるよう一般市場より高値でオリーブを仕入れています。

さらに、MGOでは新しい充てん工場をつくり、出荷能力を高めています。民衆交易(フェアトレード)のネットワークを通じて販売することで、生産者も高い価格で出荷でき、収入の増加、生活水準の向上にもつながっています。新しい充てん工場も稼働し、来年輸入するものは、新しい工場で作業したものが届くそうです。

こうした民衆交易のインパクトは大きく、産地の生産者に大きな影響を与えています。フェアトレードの収益を積立し、地域への再投資もしているそうです。昨年の戦争以降、仕事ができない、畑で作業ができず収穫できないなどのロスの補填にもなっています。

講演のあと、質疑応答を経てお二人からメッセージをいただきました。 【フアッドさん】
改めてこうした機会をもってくれてありがとう。ジェノサイドは、パレスチナの人だけでなく、いかなる形でも許されるべきではなく、人権の侵害は許されない。今一番やらなくてはならないことは殺戮をとめること。日本でも多くの人がデモに参加したり、政府に抗議してくれている。そうした動きを、すこしでも大きくして、イスラエルにプレッシャーをかけ、まずはこの戦争を一刻も早く止めたい。
オリーブ農家にとって、オリーブオイルの出荷量を少しでも増やすことが収入向上につながる。しかし、それだけでなく、日本の人がパレスチナのオリーブオイルを買うことで、パレスチナのことを忘れていない、常に関心を示し、心配しているというメッセージにもなる。こういう状況下で、こうしたつながりが一番大事。
戦争など悲惨なことも多いが、パレスチナは本当に美しい国。いつかパレスチナでみなさんとお会いしたい。
【サイードさん】
こうした機会をもうけてくれることに感謝している。報告したとおり、オリーブオイルはパレスチナの農業分野にとって非常に大事なもの。購入することはパレスチナの経済にインパクトを与えることだけでなく、農家が自分の土地で農業を続け、自分たちの土地を守ることにつながる。農家の収入向上だけでなく、地域の経済を活性化することにもつながっている。
\フアッドさんからのメッセージ動画/
加瀬理事長からは「ガザの1年間を振り返る動画を見たが、大変つらいものだった。映像を見ていると、人はなんのため生まれてきたのかと涙が出る。パレスチナもイスラエルも誰も殺されてはいけない。日本も広島長崎という悲惨な経験をしているにもかかわらず、この戦争を止められずにいるし、きな臭い動きもある。是正したい」と語り、今後もパレスチナの農民と手を取り合っていこうと呼びかけ、閉会となりました。

\12月には生活クラブ東京にてUAWCのパレスチナ産オリーブオイルを取り組みます/
配送では、12月3回企画(12/2-6カタログ配布、12/9-13受注、12/23-27配達)で、パレスチナ産オリーブオイルの取組みを行います。
配送企画では、オリーブオイル1本につき100円が生産者へのカンパになり、オリーブ収穫のための道具類への支援に充てられます。
デポーでも12月頃より店頭に並ぶ予定です。

フアッドさんの語る、美しい国、パレスチナ。オリーブがたくさん植えられ、豊かな実りのある、本来のパレスチナの大地。共同購入で手元に届くオリーブオイルは、間違いなくそこに繋がるものです。ぜひご利用ください。

終了後、フアッドさん、サイードさんと参加者で集合写真を撮影。陶器のマグネットとオリーブオイルを入れる美しい器を頂きました

≪生活クラブ東京でのこれまでの取組み≫
パレスチナ救援カンパ実施報告(2024/5/13)
パレスチナ産オリーブオイル学習会を開催しました(2024/6/4)
パレスチナの停戦を求めるNGO共同声明「停戦を、今すぐに。」に賛同します(2024/10/25)
≪パレスチナについて学ぶフォーラムを開催します≫
【12/7】[平和フォーラム] 終わらない戦争を終わらせるには~私たちに何ができるか~
 
【2024年11月19日掲載】

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